楽器メーカーの商品PR映像5選

かつて「PR映像」と言えば、ほとんどテレビCMのことを指していました。15秒や30秒などといった限られた時間でインパクトを残す「フロー」としての側面が強かったと言えるでしょう。
しかし、いまやホームページやYouTubeなどで映像を設置しておくことが可能となりました。その結果、PR映像にも「ストック」としての側面が出てきています。 今回は、映像による訴求力が強い楽器業界のPR映像を検証したいと思います。商品そのものやそれによってもたらされる体験の魅力を、各社がどのように伝えているかを見ていきましょう。

 

目次

1)ヤマハ

2)河合楽器製作所

3)Roland

4)星野楽器(Ibanez)

5)KORG

まとめ

 

1)ヤマハ

ヤマハは、言わずと知れた楽器メーカーですね。ピアノやエレクトローンからギターなど、幅広く楽器製造を手がけています。楽器の魅力を紹介した映像もたくさんあるようで、ホームページではなくYouTubeにチャンネルを作成していました。以下のリンクから、すべての映像をチェックすることが出来ます。
ブランドや個々の楽器に対するCMだけではなく、ヤマハの音楽教室の映像も多くあります。プロが演奏しているシーンも魅力的ですが、子どもをはじめとした「素人」の演奏シーンが含まれると、どこか親しみを感じますよね。楽器を演奏する充実感もダイレクトに伝わってくるので、「自分も習ってみようか」という気にさせられます。
ヤマハは楽器製造だけでなく音楽教育ビジネスも手がけているため、こうしたバラエティに富んだ映像を作ることが出来ています。事業同士のシナジーを、映像のPR効果にも持ち込んだ典型例であると言えるでしょう。

https://www.youtube.com/user/yamahajp

 

 

2)河合楽器製作所

河合楽器製作所も、ヤマハと同じく静岡県浜松市に本拠を置く世界的な楽器メーカーですね。ピアノを中心に楽器を製造するとともに、やはり音楽教室事業にも力を入れています。
映像展開も、ヤマハと同じくYouTubeにチャンネルを設けるやり方を取っています。ピアノそのものの商品紹介はなく、音楽教室の様子や講師をフィーチャーした作品が多い印象です。また、子ども向けのミニピアノや木琴の演奏でも映像が多く、音楽教室の映像も含め、全体的に子どもをターゲットとした映像が大半を占めています。
映像を視聴していると、楽しそうな子どもたちの笑顔や演奏シーンが印象的です。ヤマハよりも、さらに「自社製品を使用する喜び」を伝えることにフォーカスした作りとなっています。

https://www.youtube.com/user/KAWAImovie01/videos

 

3)Roland

Rolandは、ピアノやオルガン、シンセサイザーなど、電子楽器の分野では世界的な存在感を持つ国産楽器メーカーです。製造している楽器は多岐にわたりますが、ホームページ上ではそれぞれの紹介ページに演奏シーンの動画を設置しています。プロによる演奏で、テレビCMにも使われてもおかしくない、クオリティの高い映像作品に仕上がっています。

https://www.roland.com/jp/categories/pianos/

二つ目は、「Roland.Spotlight」と題されたビデオ・チャンネルです。Rolandの製品を演奏するシーンをSNSにアップしているユーザーの動画の中から、厳選されたものを転載しています。こちらは素人が撮影したものですからクオリティが高いわけではありませんが、世界中の人々がRoland製品で楽しんでいる様子がよく分かります。ビデオは現在進行形で集まっており、「自分もやってみようか」とユーザーなら考えてしまうかもしれません。

https://www.roland.com/jp/promos/spotlight/

 

4)星野楽器(Ibanez)

Ibanez(アイバニーズ)は、星野楽器のギターおよびベースのブランド名です。ギターやベースというと、やはり演奏したときの「かっこよさ」を強調したいもの。そのせいか、ホームページに数多く設置されている動画はほとんどプロギタリスト・ベーシストによる演奏シーン、テクニック解説となっています。
プロの超絶テクニックが見られる演奏シーンもよいのですが、「いい大人」がギターやベースについて少年のように熱く語り合うのは、男性であれば憧れずにはいられないものがあります。ギター未経験者も、経験者ながら長らく離れていた人も、ついギターをはじめたくなる、そんな動画になっています。

http://www.ibanez.co.jp/news/videos/index.html

 

5)KORG

KORGは、電子楽器の製造・販売、海外楽器の輸入・販売を手がける楽器メーカーです。ホームページでは、製品ごとに動画と音源が設置されていて、お店に行かなくても音を確認出来るようになっています。下のURLは、「Grandstage」という品名の電子ピアノの紹介ページです。
リンクからは、その製品に関連したYouTubeの動画を検索することが出来ます(公式チャンネルではありません)。KORG製品のゴージャスさが伝わってくるCMばかりです。

http://www.korg.com/jp/products/synthesizers/grandstage/

 

まとめ

楽器を紹介する上では、スペックを文字で伝えるより音や映像で演奏を見せる・聞かせる方がはるかに効果的です。今回ご紹介した企業は、どれも日本を(あるいは世界を)代表する楽器メーカーばかりでしたが、どれも映像を商品紹介にうまく活用していました。
商品PRのための映像を作成する上では、消費者の目から見た商品の魅力とその伝え方を深く考え抜くことです。制作者の「こだわり」ではなく、消費者から見て何が訴求力を持つのか。それを伝えるのに、映像はふさわしいのか。これらを考えることで、よりよい映像づくりが可能となるでしょう。