あのヒット商品のPRを徹底解剖 Apple Watch

https://tao-iw.com/blog/2017/05/43/多くのAppleファンが待ち望んでいた、Apple製のスマートウォッチApple Watchですが、スティーブジョブス亡き後、Appleはどのような広告戦略を取っているのでしょうか。ここでは、Apple Watchの商品PRについてご紹介します。

 

目次

1 Apple Watchとはなにか

2 Apple Watchの広告戦略

3 Apple Watchのコマーシャル動画

4 インフルエンサーによる拡散

5 まとめ

 

1 Apple Watchとはなにか

Apple Watchは、2015年にAppleから発売された、スマートウォッチと呼ばれるウエアラブルコンピューターです。スマートウォッチはApple Watch発売以前にも、いくつかの製品がありました。しかし、スティーブジョブス亡き後の、Appleの初めての新製品ということもあり、その広告戦略と共に話題になりました。

 

2 Apple Watchの広告戦略

Apple Special Event。 2015年3月9日。
https://www.apple.com/jp/apple-events/2015-mar-event/
Appleは年に一回、スペシャルイベントと称した製品紹介のイベントを行います。日本では時差のために深夜に行われることの多いAppleスペシャルイベントですが、多くのAppleファンやメディア記者、ブロガーなどが徹夜してまでこのイベントを視聴します。かつてはスティーブジョブスの行っていた伝統的プレゼンテーションですが、ジョブス亡き今も、サプライズを演出するプレゼンテーションスタイルは受け継がれています。

Apple Watchギャラリー
https://www.apple.com/jp/watch/interactive-gallery/
Appleの公式サイトにある、Apple Watchインタラクティブギャラリーでは、全てのモデルのApple Watchが掲載されています。複数あるケースとバンドと文字盤から自分の好みのスタイルのApple Watchを作り、それをTwitterやFacebookなどのSNSで共有できるという仕様になっています。自分のセンスを人と共有したいという願望を叶え、かつ拡散効果を見込める商品PRです。

 

3 Apple Watchのコマーシャル動画

Close Your Rings

Apple Watchのテレビコマーシャルです。Appleではよく見られるスタイルの動画で、製品に関する説明がほとんどありません。躍動感のある女性の動きと音楽、キャッチコピーは「リングを完成させよう」という、意味の伝わりにくいものです。製品の情報を明らかにしないティザースタイルの広告戦略で、興味を持ったユーザー自らが、情報を求めにサイトにアクセスすることを見込んでいます。

Apple Watch Series 2 — Go Time

Apple Watchのメインターゲットは、ジョギングやスイミングなどのアクティビティを積極的に行なう人、または行いたいと思っている人です。スマートフォンを持つことができないケースでも、Apple Watchはユーザーの運動量をトラッキングし記録してくれます。メインターゲットを絞った、スポーティーな動画広告となっています。

Apple Watch Series 2 – 鮮やかに生きよう – Apple

一般的なテレビコマーシャルより少し長めの、45秒の動画広告です。45秒という尺がありながら、ここでもAppleは商品についての解説をほとんどしていません。「製品がどういうものか」「どのような機能が素晴らしいのか」ということを訴えるのではなく、Appleはその広告で常に「生活スタイルの提案」をしているのです。

アースデイ2017 — なぜAppleは自ら汗を開発したのか? — Apple

こちらはAppleの広告の中では少し珍しい、製品開発についてのアニメーション動画です。Apple Watchの研究開発のために、人工の汗を作ったという、涙ぐましい努力が解説されています。このアースデイ2017シリーズには数種類の動画があり、どれもAppleの研究や理念についてをコミカルに解説しています。

 

4 インフルエンサーによる拡散

アップルウォッチGET!Apple Watch ブラックレザー ステンレススチールバックル!

人気ユーチューバーヒカキン氏による、Apple Watch開封動画です。Apple製品のファンは、発売前から新製品の情報にアンテナを貼り、発売後はできるだけ早く購入するといったスタイルの人が多いようです。Apple Watchも同様でした。YouTubeでは「開封動画」と呼ばれるジャンルの動画が人気を集めています。新製品のデジタルガジェットやおもちゃなどを購入し、箱を開けるところを撮影した動画は、視聴者に購入時の高揚感を体験させ、購買意欲の上昇に繋がります。

 

5 まとめ

Apple Watchはまだ、iPhoneほどの普及率はありませんが、身に着けている人を目にすることが少しずつ増えてきました。現在は一部の熱狂的なAppleファンや、インフルエンサー、アーリーアダプターのツールという印象です。今後、廉価版のモデルも増えアプリケーションも増えてくれば、スマートフォンのように誰もがスマートウォッチを身に着けているという時代がくるのかも知れません。