アニメが使用されているCM5選〜食品メーカー編

日本人にとってアニメは、とても親近感のあるもので、「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」、「ジブリシリーズ」といったアニメが子供から大人まで幅広い世代で楽しまれています。
そんな親近感のあるアニメですが、アニメ作品としてだけではなく、CMなどのプロモーションとしても用いられています。
アニメを用いたCMは昔からありましたが、時代の変化とともに、映像の技術も上がり、クオリティの高い作品が続々と登場しています。
また、作画やCGといった見た目の美しさだけではなく、視聴者を惹き込むようなストーリーで印象に残るCMも増えてきたように感じます。
そんなアニメを用いたCMを今回は「食品メーカー」にスポットをあてて、ご紹介していきたいと思います。

 

 

目次

1 日清カップヌードル

2 PEPSI NEX

3 マルコメ 料亭の味

4 さつま白波

5 マクドナルド

まとめ

 

 

1 日清カップヌードル

TVでの放送回数も多かったので目にした方もいたのではないでしょうか。
サザエさんや魔女の宅急便を原作と違った雰囲気で表現したCMに続き、高校生のカップルを主役にしたCMを放映しました。
この CMは、視聴者の脳裏に焼き付くような派手でスピーディーな展開が印象的です。
ハイクオリティなSF作品とも言える映像で、幅広い層の興味を引く内容に仕上がっていると思います。
技術的には街の崩壊や巨大怪獣など、ほぼ全編がCGで構成されています。
これだけスケールの大きな展開を実写をベースにCGで作り込むと、かなりの労力とコストが必要です。
それに対してアニメとして表現することで幾分かコストを抑えることができます。
これはアニメの利点のひとつかもしれません。
他にも日清カップヌードルは2006年に「AKIRA」の作者である大友克洋とコラボし、話題になりました。
アニメをCMに積極的に取り入れている企業としても注目が集まっています。

 

 

2 PEPSI NEX

「009 RE:CYBORG」とのコラボCMになります。
こちらも全編CG作品。登場するキャラクターも「トゥーンレンダリング」と呼ばれる、3DCGをアニメで描かれたように見せる技法で制作されています。
このCMの場合、すでにTVや劇場作品用にCGでモデリングされたキャラクターが存在しているため、新しくCM用にキャラクターの制作をする手間がなくなります。
ちなみに今回ご紹介している他の4つのCMについては完全オリジナルになるので、そこで新しく登場するキャラクター達の設定が必要になってきます。
しかしながら、コラボなどでアニメを使いたい場合はライセンス料が掛かってくるので、人気キャラクターを起用する場合は新しくキャラクターを制作した方が、コストを低く抑えられる可能性もあります。

 

 

3 マルコメ 料亭の味

少し「スタジオジブリ」っぽい、優しく人間味溢れるタッチで描かれた作品です。
温かみのある色彩で表現される日常、深く描き込まれたストーリーが見る人の涙を誘います。
大物役者を起用しなくともドラマチックな作品を生み出せる可能性があるのも、アニメの持つ大きな魅力のひとつです。
オムニバス形式で展開されるストーリーは、「話の続きが気になる」「他の話も見てみたい」といった具合に人の興味を引きやすく、テレビからWEBへと誘導しやすい構成とも言えます。

 

 

4 さつま白波

「スタジオジブリの作品?」と思われた方も多いかもしれません。
それもそのはず。「となりのトトロ」や「おもひでぽろぽろ」の作画監督が担当した作品になります。作画監督とは主にアニメ作品の「絵」のクオリティを管理する人になります。
そのため作品によっては、雑誌に掲載するイラストを作画監督が担当したりします。
またアニメ業界の現場では、作画監督から監督になる人も多く存在しています。
それだけ重要なポストであり、CMのようなスポット作品で監督として起用され、それをきっかけにステップアップしていく場合があります。
「絵」の持っている魅力や、その構造をしっかりと理解したスタッフが携わることで、作品自体の完成度がグンっとアップするのです。

 

 

5 マクドナルド

とてもコントラストの高い、元気のイイ絵作りが特徴です。
「色」をインパクトの軸として訴求する方法はアニメの得意とするところです。
この「マクドナルド」のCMはハッキリ、クッキリとした色使いや、少し強調されたライン(線画)で構成されているため、とても躍動感があり、それが記憶として強烈に残ります。
登場キャラクターが見せる人間以上に生き生きとした表情は、明るい未来の象徴ともなっています。
「採用」というテーマを題材に、ターゲットとする年代に対して、アニメを使って表現することで「楽しさ」「希望」といった、言葉では表現しにくいものを分かりやすく伝えることが出来ているのではないでしょうか。

 

 

まとめ

CMをアニメで表現する企業は、これからも増える傾向にあると思います。
ひとつはアニメを制作する環境が劇的に変化し、制作コストを抑えられる可能性が出てきたというです。
1つはアニメを見て育ってきた年齢層が大幅に増えているからです。
今の40~50代の方はいわゆるゴールデンタイムでアニメを見て育ってきた世代です。
そのためアニメCMは若年層だけではなく、中高年にも十分な効果が見込まれるのです。
そして最後にTVでスポット放映した後、その後のストーリー展開をWEBで公開することが容易に可能になった点です。
実写CMではテレビ放映後にWEBでドラマの続きを見せる手法は定着していますが、アニメにおいてはまだ着手している企業は多くはありません。
アニメで作品性の高いCMを生み出すことで、話題になる確率は実写よりもあるように思います。
もちろん作品性の高いCMを生み出すためには、それなりの制作費は必要になってきます。
監督、脚本家、声優、作画チーム、音響チームetc
それぞれの分野のプロフェッショナルを揃える必要があります。
何かひとつ欠けても、人の心に残り、世の中で話題となるようなCMにはならないと思います。
ただ、それを実現してくれる制作スタッフが、世界でも1位、2位を争うアニメ大国であるこの日本に存在しているということは、幸運なことかもしれません。