1. この記事の要点
工場紹介・見学動画は「撮影許可の取り方」「安全配慮」「見学ルートの設計」で8割が決まります。
まずは公開範囲(外部公開か、営業資料・採用用途か)を定義し、映してはいけない情報(機密・個人情報・安全上のNG)をリスト化。
撮影は見学動線をそのままなぞるのではなく、「来訪者が知りたい順」にルートを再設計し、入口→全体俯瞰→主要工程→品質・安全→人・文化→出口(問い合わせ)で構成すると伝わりやすいです。
最後に、撮って終わりではなく更新前提でカットを分離し、用途別(営業/採用/広報)に短尺へ再編集できる素材設計にしておくと資産化できます。
2. この記事で扱うこと
- 「工場 見学 動画」「工場 紹介 動画」で成果を出すための考え方
- 撮影許可・機密・法務・安全面のチェックポイント
- 見学ルート設計(絵コンテの前に決めるべき順序)
- 当日の撮影オペレーションと、編集で“伝わる”形にするコツ
3. 工場紹介・見学動画の目的を先に固定する
工場動画は目的が曖昧だと「全部映したのに何も伝わらない」になりがちです。まずは、誰が見て、何を感じ、次に何をしてほしいかを決めます。
3-1. よくある目的(複数OK)
- 営業:安心感・品質体制の証明(商談の前提を作る)
- 採用:働く環境・人・文化の可視化(応募の不安を減らす)
- 広報:ブランドストーリー・地域貢献・技術力の発信
- IR:設備投資や生産能力の説明、事業理解の補助
3-2. 成果指標(KPI)を決める
- 営業:動画視聴後の資料請求率、商談化率、受注率
- 採用:説明会参加率、応募率、内定承諾率
- 広報:視聴完了率、被リンク/掲載、SNS保存
4. 撮影許可と機密管理:最初に潰すべき論点
工場撮影の失敗で多いのは「撮った後に使えない」です。先にルールを決め、関係部署(法務・品質・安全衛生・情報システム)を巻き込みます。
4-1. 撮影許可の取り方(社内合意の型)
- 公開範囲:外部公開 / 限定公開(URL/パス)/ 営業資料のみ
- 映してよいエリア:ライン、倉庫、研究室、オフィスなど区分
- 映してよい情報:機械銘板、モニター画面、帳票、ホワイトボードの扱い
- 来訪者/協力会社:ロゴ、制服、名札、車両ナンバーの扱い
- 撮影日:稼働状況(通常運転か、見せる運転か)
4-2. 工場でよくあるNG(必ず事前に洗う)
- 製造条件や配合、工程ノウハウが推測できる映像
- 検査基準、品質記録、社内システム画面が映り込む
- 安全設備の未着用が映る(ヘルメット、保護具など)
- 協力会社や顧客名が写る(荷札、ラベル、掲示物)
- セキュリティ設備や入退室方法が分かるカット
4-3. 使える形にするための実務対策
- 撮影前に「撮影可能エリアの地図」と「NGリスト」を紙で配布
- 現場立会い(品質/安全のいずれか)を必ず1名つける
- 撮影中にNGが出たら、その場で撮り直し/カット差し替えを判断
- 編集前レビュー(ラフカット)を必ず挟む
5. 安全配慮:動画に映ることが“基準”になる
工場動画は社外へのPRだけでなく、社内教育にも転用されます。映像に残った行為が「正しいやり方」として解釈されるため、撮影時の安全基準は通常以上に厳しくします。
5-1. 安全チェック(撮影前に確認)
- PPE(保護具):ヘルメット、保護メガネ、手袋、安全靴、耳栓など
- 動線:撮影班の立ち位置、退避位置、立入禁止区域の明確化
- 稼働設備:可動部・危険源の近接撮影を避ける(望遠で寄る)
- フォークリフト:撮影時間帯を調整、誘導員の配置
5-2. よくある事故リスクと回避
- 視線がファインダーに集中し、足元が疎かになる → 誘導役を固定
- 狭所での後退撮影 → 無理に引かず、広角+固定で撮る
- ライン近接の“迫力カット” → アクションカムや固定機材で代替
6. ルート設計が最重要:見学動線を“伝える順”に変える
実際の見学ルートは「建屋の都合」で決まっていることが多いですが、動画では「視聴者が知りたい順」に組み替えられます。ここを設計すると、編集が一気に楽になります。
6-1. 伝わるルートの基本形(おすすめ)
- 入口・外観(どこで何をしている工場か)
- 全体俯瞰(規模感・清潔感・整理整頓)
- 主要工程(価値の核になる工程を1〜2本に絞る)
- 品質管理(検査、トレーサビリティ、記録の扱いは“見せ方”注意)
- 安全衛生(安全文化、ルール、教育)
- 人・文化(働く人の表情、チーム連携、改善活動)
- 出口(問い合わせ・採用・資料請求への導線)
6-2. 視聴者別の見せ順カスタム
- 顧客向け:品質・安定供給・検査を厚く、工程は核心を避けつつ説得力を出す
- 採用向け:人・環境・教育・働きやすさを厚く、工程は“雰囲気”中心
- 海外向け:字幕前提で情報を整理、固有名詞と数値は画面表示
7. 絵コンテの前に作る「撮影設計書」
工場撮影は現場都合で変動します。絵コンテを固めすぎると破綻しやすいので、まずは撮影設計書(目的と必須カット)を作ります。
7-1. 撮影設計書に入れる項目
- 目的(営業/採用/広報/IR)
- ターゲット(顧客、求職者、投資家、地域)
- 公開範囲(外部/限定)
- 必須カット(外観、全体俯瞰、主要工程、検査、安全、人)
- NGリスト(機密/安全/個人情報)
- 撮影時間割(稼働工程のタイミング)
8. 撮影のコツ:画角・音・光で“工場らしさ”を出す
8-1. 画角(見せ方の基礎)
- 広角:清潔感、整頓、導線を見せる
- 標準:人の作業の自然さを見せる
- 望遠:機密に寄らずに迫力を出す(近づかない)
8-2. 音(工場動画は音が説得力になる)
- 機械音、空調音、作業音を現場で収録(後で“らしさ”に効く)
- ナレーションは後収録が安定(騒音下での収録はリスク)
- 安全上の指示やアナウンスが入る場合は編集で整理
8-3. 光(清潔感は照明で決まる)
- 逆光を避ける(シャッターのちらつきも確認)
- 白い壁や床は露出が飛びやすいので、モニターで確認して調整
- 暗所は無理に明るくせず、ライトで必要箇所だけ補う
9. 編集のベストプラクティス:長尺1本より短尺展開
工場動画は「1本作って終わり」だと費用対効果が落ちます。最初から分解できる素材設計にしておくと、営業・採用・展示会などに転用できます。
9-1. まず作るべき3本セット(おすすめ)
- フル版(3〜6分):全体理解用
- 短尺版(60〜90秒):営業メール・SNS・展示会用
- 工程別クリップ(15〜30秒×数本):Webや採用ページの差し込み用
9-2. テロップと字幕の考え方
- 固有名詞・数値・工程名は必ず画面表示
- 機密に触れる可能性がある場合は抽象化する(例:「独自の検査工程」)
- 海外向けは要点字幕から始める(完璧さより運用性)
10. よくあるNGと改善
- NG:工程を全部見せて長尺になり離脱 → 改善:主要工程を1〜2本に絞る
- NG:機密の映り込みで公開できない → 改善:NGリスト+立会い+ラフカットレビュー
- NG:安全装備が不統一 → 改善:撮影用PPEルールを撮影班にも適用
- NG:動線が分かりにくい → 改善:ルート設計を「伝える順」に組み替える
11. チェックリスト(撮影前にこれだけ)
- 目的と公開範囲が決まっている
- 撮影可能エリアとNGリストが共有されている
- 立会い担当(品質/安全)が決まっている
- 撮影動線と立ち位置が決まっている
- 主要工程は1〜2本に絞れている
- フル版と短尺版に展開する前提で素材設計している
12. FAQ
12-1. 工場のどこまで見せるのが安全ですか?
公開範囲によります。外部公開なら「工程の核心が推測できないレベル」に抑えつつ、品質体制や安全文化、整理整頓で信頼を作るのが現実的です。限定公開(営業資料のみ)なら、関係者合意の範囲で工程を深く見せられます。
12-2. 撮影は稼働中が良いですか?
基本は稼働中が説得力が出ます。ただし安全と機密が最優先なので、見せたい工程だけ稼働タイミングを合わせたり、固定カメラで安全に撮るなどの工夫が必要です。
12-3. 何分くらいが適切ですか?
フル版は3〜6分が目安です。長くするほど離脱します。用途別に60〜90秒版を必ず用意し、営業・採用・展示会に使い回せる形にすると効果が出ます。
13. CTA(次のアクション)
- 工場動画の撮影許可・NG整理の設計支援(法務/品質/安全の合意形成を含む)
- 見学ルート設計と撮影設計書の作成(必須カットと運用テンプレ)
- 営業/採用/広報に展開できる素材設計と編集プランの提案








