採用動画、とくに「コンセプトムービー」は、企業の理念や働く人の想いを“体験”として伝える力を持っています。
採用において、応募者が求めるのは「この企業で自分の力をどう発揮できるか」という実感です。
言葉だけでなく、映像を通して企業の価値観や現場の空気感を見せることが、共感や応募意欲を生み出します。
今回は、航空・建設・運輸といった社会を支える基幹産業から、近年公開された5本の採用コンセプトムービーを紹介します。
目次
1)IHI「これからの空のはなしをしよう。」(ダイジェスト版)
2)鹿島建設「鹿島の“今”を体感せよ」
3)第一交通産業グループ 採用コンセプトムービー
4)ロジスティード中部 採用ムービー
5)西多摩運送 採用ムービー
まとめ
1.IHI「これからの空のはなしをしよう。」(ダイジェスト版)
航空・宇宙・防衛分野を担うIHIが、自社の技術と挑戦心を描いたキャリア採用ムービーです。
社員のインタビューと現場映像を交え、「空をつくる」「モノづくりを変える」というテーマを力強く伝えています。
ナレーションの「空の常識を変えていく」という言葉が印象的で、経験者に新しい挑戦を促す構成です。
映像全体に漂うスピード感と未来志向が、技術革新に挑む企業姿勢を感じさせます。
2.鹿島建設「鹿島の“今”を体感せよ」
建設現場で働く人々の誇りや一体感を映し出すムービーです。
この動画の特徴は「目線」。
実際に働く人の目線で、職場の雰囲気や建設現場の「リアル」を映し出します。
現場の雰囲気はもちろんのこと、IT技術を活用しながら大きなプロジェクトを進める様子を垣間見ることができます。
重厚な映像と音のトーンがスケールの大きさを際立たせ、見る人に“社会をつくる仕事”への共感を呼びおこす動画といえます。
3.第一交通産業グループ 採用コンセプトムービー
「社会の移動を支える」という使命を軸に、タクシーやバスなど運輸の現場を描いた作品です。
点呼や運行、接客など、日常の一コマを丁寧に切り取りながら、人と人をつなぐ仕事の尊さを伝えています。
穏やかな映像と誠実なナレーションが、働く人の姿勢ややりがいを自然に浮かび上がらせ、さまざまな人に“地域を支える誇り”を感じさせます。
4.ロジスティード中部 採用ムービー
物流現場のダイナミズムをリアルに映し出したムービーです。
トラックや倉庫で働く社員の動きを中心に、チームで「モノを運ぶ」意義をシンプルに描いています。
物流で道を切り開いていくというメッセージに、会社の姿勢が込められています。
シンプルな構成であり、派手な演出はありませんが、働く人の息づかいや一体感が伝わり、「自分の仕事が社会を動かしている」という実感を与えます。
堅実で実直な企業イメージを映像で体現した採用動画といえます。
5.西多摩運送 採用ムービー
地域密着の物流をテーマにしたコンセプトムービーです。
「私たちが支える日常」という言葉の通り、トラックの出発や荷下ろし、社員の笑顔がテンポよく続きます。
総務の仕事の日々のやり取り、配送業務の管理など、派手さはないものの、誠実な企業姿勢を発信しています。
とくに実際に働く人の言葉を発信している点が、職場のリアルを感じさせてくれます。
全体の構成から、会社が地域を支える温かみが感じられ、応募者に“安心して働ける場所”という印象を残します。
応募者に向けた企業理解の入り口として効果的な映像といえます。
まとめ
5本の動画はいずれも、働く人の本音や想いを通して、応募者が「自分もここで力を発揮したい」と感じられる構成になっています。
現場の映像や音のトーンが企業の空気をリアルに伝え、理念や文化を“体感”として届けています。
また、採用において応募者が気にする「経験」「挑戦」「変革」といったキーワードを軸に、人生のキャリアを描くきっかけを与えている点も共通しています。
採用動画は、単なる会社紹介にとどまらず、企業の生きたメッセージを伝える手段です。
伝えたい想いを明確にし、そのトーンを映像全体に落とし込むことが、応募者の心を動かす第一歩となるでしょう。








