職場や学校などで、必ずだれかが持っているほど普及したApple社のiPhoneですが、ここまでヒットするのにどのようなPRを行ったのでしょうか。ここではiPhoneの広告戦略と、宣伝動画をご紹介します。
目次
1 Appleのヒット商品iPhone
2 Apple公式によるPR
3 携帯電話各社によるPR
4 新機能のPRとインフルエンサーによる拡散
5 まとめ
1 Appleのヒット商品iPhone
iPhoneは現在、Appleの主力商品と言えるでしょう。現在でこそ、全面ディスプレイのスマートフォンは珍しいものではありませんが、iPhoneの販売当時、前面にはホームボタンが一つしか無い携帯電話というのは、とても斬新な商品でした。2007年に発売された初代iPhoneは爆発的にヒットし、世界中のユーザーが自国での発売を待ち望みました。
日本で発売されたのは、一年半ほど後の2008年になります。初代iPhoneは日本では発売されず、iPhone3Gからの販売となりましたが、ソフトバンクストアには行列ができ、入手困難になるほどの人気でした。
AppleのPR戦略は、MacやiPhoneなど全ての商品に共通しています。iPhoneの広告から伝えられるのは徹底したイメージ戦略と、新しい生活スタイルの提案です。Appleは製品を通して「あなたはこんな生活をしたいはず。Appleの製品ならそれが可能です」と行ったニュアンスを訴えてきます。
もちろん、iPhoneはこれまでの携帯電話とは全く違うものでした。しかし、新しく搭載された機能が他社には既にあったものでも、Appleはその商品PRの中で「ユーザーの新しい生活」をイメージさせるのです。それがAppleの広告戦略の巧みなところでしょう。
2 Apple公式によるPR
iPhone 7を紹介します
AppleJAPANによるiPhone7の動画広告です。新機能の中でも特に、カメラの画質性能について強く宣伝をしているのがわかります。iPhone7で今までと一番変わった部分は防水機能だと思われるのですが、その宣伝よりもカメラの性能を告知することを重要視しています。「iPhoneでなにができるか」ではなく「あなたは美しい写真を撮りたい、iPhoneならそれができます」という、Appleの広告スタイルを常に守っているのです。
iPhone 7 – ステッカーファイト – Apple
iPhone7のメッセンジャーで「ステッカー」と呼ばれるアイコンが使えるというコマーシャルです。ステッカーはiTunesストアで購入することができ、LINEスタンプや、Facebookのスタンプなど、既存に似たものがあるシステムですが、新しさと斬新さを巧みに感じさせるのが、Appleの広告戦略です。
3 携帯電話各社によるPR
iPhone&iPad「卓造の旅立ち」篇1
iPhone&iPad「卓造の旅立ち」篇2
ドコモ版のiPhoneのテレビコマーシャルです。出演俳優に角野卓造氏を起用していることからもわかるように、中高年世代、シニア世代をターゲットにしています。なんとなく難しそうに思えるスマートフォンを、自分で使えそうだと思わせてくれる広告となっています。
TVCM │ au「愛の結晶」篇
au版のiPhoneのテレビコマーシャルです。auのテレビコマーシャルの人気シリーズの桃太郎を起用し、期待感を持たせる宣伝動画となっています。製品に関しての情報量は少なめで「iPhoneが発売される」という告知のみに重点が置かれています。
ソフトバンク cm ApplePay アップルペイ iPhone シン・ゴジラ 白戸家
iPhoneで電子マネーの支払いができる、ApplePayを紹介したソフトバンクのテレビコマーシャルです。人気映画シン・ゴジラと、おなじみの白戸家の人々がコラボレーションした広告となっています。
4 新機能のPRとインフルエンサーによる拡散
【CM】Apple PayのSuica「改札」篇(30秒)
こちらもApplePayのコマーシャルですが、JR東日本公式の広告となっています。ApplePayでSuicaが使用できるようになったこと、iPhoneで自動改札を通れるようになったことを告知する目的の動画です。Androidは以前からSuicaなどの電子マネーに対応している端末がありましたが、iPhoneはApplePayの登場により初めて電子マネー対応となりました。
iPhone7ジェットブラック開封後、即水没!
Appleが公式からの情報提供を絞ることにより、各メディアはiPhoneの情報をより多く公開しようとします。iPhoneの情報を求めて人々は検索し、ブログやニュースサイト、動画投稿サイトのPVを上げることができるからです。結果的に、Apple公式以外のメディアが無償で宣伝に協力してくれる形になります。
ユーチューバーなどのインフルエンサーは、新製品が出る度に自費でアップル製品を入手し、製品のレビューをします。それがAppleにとってもインフルエンサーにとっても、どちらもメリットのある行為なのです。
5 まとめ
iPhoneは間違いなく革新的な携帯電話でしたが、初代iPhoneから完成度が高く、以降の新モデルではそこまで革新的なイノベーションは少なかったのかも知れません。それでもAppleは常に「新しいiPhone」をPRしてきました。新モデルが出るたびに買い換える熱心なファンの存在や、製品を紹介するメディアの応援も、Appleの広告戦略に組み込まれていると言えるでしょう。