脱炭素社会を映像で伝える:カーボンニュートラルPR動画5選

カーボンニュートラルへの取り組みは、企業の社会的責任(CSR)にとどまらず、未来への投資や事業戦略の一部としてますます重要性を増しています。
こうした姿勢を社内外に伝える手段として、映像によるPRは非常に効果的です。
今回は、カーボンニュートラルをテーマにした日本国内の企業・自治体のPR動画から、構成・演出に優れた5本を紹介します。

目次

1)OBAYASHI VISION MOVIE 2025 ひらこう、脱炭素社会。

2)石川県成長戦略PR動画 概要版(約3分)

3)九電みらいエナジー㈱2050年ビジョン(2024年4月17日公開)

4)【NIPPON STEEL 】エコプロ2024 カーボンニュートラルへの挑戦

5)カーボンニュートラル実現に向けたミダックの取り組みをご紹介!!

まとめ

 

 

1.OBAYASHI VISION MOVIE 2025 ひらこう、脱炭素社会。

「ひらこう、脱炭素社会。」というコピーを軸に展開されるこの映像は、建設業界大手の大林組によるビジョンムービーです。
動画は始まりから終わりまで、言葉ではなく映像と音楽のみで構成されており、脱炭素社会への志や未来志向の建設のあり方を、情感豊かに描き出しています。
とくに、自然環境・都市・人々の営みが美しく編集され、企業の環境ビジョンが”感じ取れる”設計になっている点が印象的です。
直接的な説明はないものの、企業の哲学や方向性を感覚的に訴えるこの構成は、ブランディング映像としての完成度が非常に高く、視聴者の共感や印象に強く残ります。

 

 

2.石川県成長戦略PR動画 概要版(約3分)

この3分間の動画では、石川県が掲げる「成長戦略」を、多角的に、かつわかりやすく紹介しています。
注目すべきは、地域の持続可能性を支える産業、文化、観光、教育といった複数の分野を統合的に紹介している点です。
動画ではとくに「ゼロカーボン社会の実現」や再生可能エネルギーの導入推進が明示され、県としての具体的な目標とビジョンが語られています。
映像はシンプルで丁寧、ナレーションも落ち着いたトーンで進行するため、行政や自治体が制作する映像のひとつの理想形といえるでしょう。

 

 

3.九電みらいエナジー㈱2050年ビジョン(2024年4月17日公開)

九州電力グループの再生可能エネルギー事業を担う「九電みらいエナジー」による2050年ビジョン動画は、わずか2分半という短さながら、企業の長期目標とその実現のための手段を明確に提示しています。
風力、太陽光、地熱といった具体的なエネルギー源の取り組みが整理され、ナレーションに合わせてインフォグラフィックや実写映像がテンポよく展開されます。
未来志向のトーンに統一されたビジュアルも洗練されており、投資家・企業パートナー・一般視聴者のいずれに対してもわかりやすく訴求する構成となっています。

 

 

4.【NIPPON STEEL 】エコプロ2024 カーボンニュートラルへの挑戦

日本製鉄によるこの動画は、環境展示会「エコプロ2024」に出展した企業ブースの内容を紹介するもので、カーボンニュートラルに向けた技術や開発の実情を、展示映像を交えながら短くまとめています。
従来の製鉄から水素還元鉄製造などの次世代製造法まで、具体的な研究・実装の進捗をわかりやすく解説。
専門性の高いテーマでありながら、映像とテロップで要点を噛み砕いて伝える構成は、展示会PRの映像としても秀逸です。
産業系の映像制作を検討している企業にはとくに参考になるでしょう。

 

 

5.カーボンニュートラル実現に向けたミダックの取り組みをご紹介!!

廃棄物処理と再資源化の分野で活動するミダックが制作したこの動画は、2024年に新設された焼却炉とその周辺施設の紹介を通じて、カーボンニュートラルへの具体的な取り組みを実直に伝えています。
実際の施設の映像と社内技術者のコメントを中心に構成されており、専門知識のある視聴者だけでなく、一般層にも訴求力があります。
企業の日常的な業務の中での地道な取り組みと、それを支える人材の存在が自然に描かれており、信頼感を醸成する構成となっています。
技術広報やCSR報告に活用できる動画スタイルの好例です。

 

 

 

まとめ

今回紹介した5本の動画はいずれも、カーボンニュートラルという難解なテーマを視覚的に伝える工夫が随所に見られます。
ブランディングを目的とした抽象的で感覚に訴える表現から、技術や施策を詳細に解説する実務的構成まで、目的や対象者に応じて構成を考えることが重要です。