新卒採用において、動画は言葉や写真だけでは伝えきれない、企業の温度や現場の空気感を伝えてくれます。
とはいえ、情報過多の時代に、自社の動画を多くの学生に見てもらうことは容易ではありません。
自社の理念や働く人の想いを、いかに映像化するか。
今回は、近年公開された新卒採用動画のなかから、構成やトーン、映像表現に優れた5本を紹介します。
目次
１）【松井建設】「3分でわかる松井建設 歴史・事業・理念について」
２）【ハンズマン】「ハンズマン リクルート用プロモーションビデオ 2025年 3分」
３）【サントリーホールディングス】「新卒採用サイト『TOP MESSAGE トップメッセージ』」
４）【グローバル・リンク・マネジメント】「2025会社紹介動画」
５）【あすか製薬】「採用コンセプトムービー」
まとめ
1.【松井建設】「3分でわかる松井建設 歴史・事業・理念について」
入社を考える学生に向けて、会社の歴史や事業の特徴、理念を3分という短い時間で端的に伝える動画です。
冒頭では「松井建設とは」という導入から始まり、実際の建築現場や社内風景が映し出され、仕事のリアルな様子を視覚的に感じ取ることができます。
中盤では事業内容を、終盤では企業理念を語る構成で、現場の映像と落ち着いたナレーションが調和し、誠実で堅実な企業姿勢が印象に残ります。
実際に働く姿や職場の雰囲気を通して、学生が「ここで働く自分」を想像できるよう設計されたコンセプトムービーです。
2.【ハンズマン】「ハンズマン リクルート用プロモーションビデオ 2025年 3分」
ホームセンター「ハンズマン」が公開した2025年新卒採用プロモーションムービーは、店舗の活気やスタッフの笑顔を中心に構成されたエネルギッシュな映像です。
明るいBGMとテンポの良い編集で、働く現場の「ワクワク感」やチームの一体感をストレートに伝えています。
若手スタッフの姿が随所に登場し、現場の空気感や日常のやり取りをリアルに描くことで、「自分もこの空間で働いてみたい」と思わせる臨場感を演出しています。
理念やキャリア説明よりも「働く楽しさ」を前面に押し出した構成で、学生のポジティブな印象を自然に引き出す映像です。
3.【サントリーホールディングス】「新卒採用サイト『TOP MESSAGE トップメッセージ』」
2分あまりの短い映像のなかで、企業の理念やビジョンを力強く伝えるメッセージ性の高いムービーです。
サントリーのトップが自らの言葉で語る姿が印象的で、映像・音楽・カメラワークすべてがブランドの品格と情熱を感じさせます。
「なぜ働くのか」「社会にどう貢献していくのか」という問いに真正面から向き合う構成が、学生に“働く意義”を考えさせるきっかけを与えています。
映像全体を通して伝わるのは、企業としての哲学と文化の奥行き。
短尺でありながら、観る人の心に深く残る一本です。
4.【グローバル・リンク・マネジメント】「2025会社紹介動画」
1分という非常に短い時間の中に、企業のエネルギーとスピード感を凝縮した会社紹介ムービーです。
都市を舞台にした洗練された映像とテンポの良い音楽が、成長する企業のダイナミズムを直感的に伝えています。
社員が登場するカットや社内の雰囲気が映し出されることで、堅苦しくない、現代的で開かれた職場イメージが強調されています。
短尺ながらも「まず知ってもらう」ための入口として機能する構成で、学生に対して軽やかにブランドを印象づける効果的な映像です。
5.【あすか製薬】「採用コンセプトムービー」
製薬業界で働く意義を真正面から描いた、静かで力強い採用コンセプトムービーです。
医療を通して人の健康や命を支えるという使命を背景に、社員一人ひとりの言葉や表情を丁寧に紡ぎながら、仕事に向き合う姿勢と想いを伝えています。
淡いトーンの映像と穏やかなナレーションが、社会的意義と人間味を兼ね備えた企業の姿を印象づけ、観る人に「自分の仕事を通して誰かを支える」という前向きな気持ちを呼び起こします。
専門性だけでなく、人の心を大切にする企業文化を感じさせる、温かい仕上がりの映像です。
まとめ
採用動画は、企業理念や職場の雰囲気、働く人の想いを、視覚と聴覚を通じて“体験”として伝えることができる強力なコミュニケーション手段です。
今回紹介した5本はいずれも、短尺ながら構成や音、ナレーションのトーンに工夫があり、学生に「この会社の空気が好きだ」と思わせる力を持っています。
仕事のリアルを伝えるか、理念を語るか、あるいは両方を融合させるか――目的に合わせて映像表現を設計することで、採用動画は単なる会社紹介を超えた“ブランド体験”へと昇華します。
自社の採用動画を企画する際も、「伝えたい想い」を明確にし、それを映像全体のトーンに落とし込むことが、学生の心を動かす最初の一歩となるでしょう。
