近年、ビル等の建造物に映像を投影するパフォーマンスであるプロジェクションマッピングが日本各地のイベント等で行われるようになってきています。
その技術の根本的なものは、かなり昔から存在していたのですが、近年のコンピューターグラフィックス技術の向上や、プロジェクターが数多くのクリエイターの手に行き渡りやすくなった事を背景に、15年程前から自然と新しい映像技術として広まってきました。
今後、様々な企業、商品、技術を加え、よりハイクオリティなパフォーマンスが出来る事が予想されるプロジェクションマッピング。今回は今までに行われたプロジェクションマッピングの動画を元に、その特徴をご紹介します。
目次
1)花火に合わせてイルカが飛ぶ!アクアパーク品川 プロジェクションマッピングイルカショー
2)ファイナルファンタジーコラボ!海洋都市ヨコハマ 龍神バハムート襲来!
3)東京駅が崩れ落ちる?TOKYO STATION VISION
4)佇む車が見せる幻想!車のプロジェクションマッピング
5)舞鶴赤レンガプロジェクションマッピング
6)人類は奴等の餌?進撃の巨人プロジェクションマッピング
7)古都を妖怪が練り歩く!京都高台寺 百鬼夜行
8)どれが本物の魚か分からない!新江ノ島水族館 ナイトアクアリウム
9)銀帯橋 時空の架け橋
10)ダンスとプロジェクションマッピングがコラボ!DANTCEMAGIC
まとめ
1)花火に合わせてイルカが飛ぶ!アクアパーク品川 プロジェクションマッピングイルカショー
アクアパーク品川では、ステージ中央上部から円柱状に水が流れ落ち、そこを中心に映像が写し出されます。
通常のイルカショーに加え、流れ落ちる水のパターンが変化し、さらにはそこに映像・音楽が合わさり、壮大なスケールを感じられるプロジェクションマッピングです。
実際に動くアナログなものとデジタルなものの見事な融合ではないでしょうか。
2)ファイナルファンタジーコラボ!海洋都市ヨコハマ 龍神バハムート襲来!
ファイナルファンタジー30周年を記念し、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルの壁面を使用して行われたプロジェクションマッピングです。
半月型の壁面であり画面としては狭いような気もしますが、見ているうちにすぐにその世界に引き込まれ、自分自身が体験しているような感覚に陥ります。
本作は影の使い方が美しく、地上と上空、物体の奥行き等、奥深い立体感を影が際立たせています。
効果音やBGMがお馴染みの物であり、懐かしくも新しい作風がFFらしく、ファンは必見の作品ではないでしょうか。
3)東京駅が崩れ落ちる?TOKYO STATION VISION
2012年9月に行われた東京駅の壁面を使ったプロジェクションマッピングです。テレビ番組でも取り上げられ、この映像を機にプロジェクションマッピングを知ったという人も多いのではないでしょうか。
冒頭の、窓に映る光と人々の影。実際の建物の構造を利用している為、すごくリアリティがあります。
横に長い壁面に写し出される電車や駅をイメージする映像や、まるで駅が音楽を奏でているような表現がリズミカルで心地好く、見ていて飽きません。
4)佇む車が見せる幻想!車のプロジェクションマッピング
車という流線型のキャンバスである為、映像を写し出すのがすごく難しいはずですが、巧みな技術で映像が流れるように写し出されていきます。
車は止まったままであるにも関わらず、映像がどんどん流れ、タイヤが回っている表現もされている為、高速で車が走っているような錯覚に陥ってしまいます。
また、写し出される光によって車のボディーカラーがコロコロ変わる表現は、シンプルではありますがマッピング技術の面白いところです。
5)舞鶴赤レンガプロジェクションマッピング
舞鶴にある赤レンガ倉庫3、4、5号棟の200メートルにも及ぶ壁面を利用したプロジェクションマッピングで、光の回廊となった通路を見ながらその中を歩く事ができます。
クラウドファウンディングで出資した企業、個人のスポンサーの名前やメッセージが写し出される為、広告を出したい企業等が注目するイベントとなっています。
6)人類は奴等の餌?進撃の巨人プロジェクションマッピング
累計発行3600万部を突破した人気漫画進撃の巨人が、神奈川県川崎市のラゾーナ川崎プラザで、プロジェクションマッピングとして登場しました。
ビルの壁面に投影された実物大の巨人。縦長のビルの壁面を壁に見立てて巨人と対峙するだけかと思いきや、場面が巡り巡り、激しいアクションを伴った躍動感溢れる演出となっています。
奥行き、高さと視点が変わることで狭い画面でも大きなスケールの世界を表現できています。
7)古都を妖怪が練り歩く!京都高台寺 百鬼夜行
京都高台寺で行われた、夜に徘徊する妖怪達、百鬼夜行をモチーフとしたプロジェクションマッピング。
6台ものプロジェクターを使用し、正面の門と壁面だけでなく手前にある波心庭にも映像が写し出されている為、空間そのものが揺らめき立って妖がわき出ているような印象を受けます。
BGMも派手に誇張するような物ではなく、しっとりとその世界観を表しているようで、京都らしいリアリティのある演出となっています。
8)どれが本物の魚か分からない!新江ノ島水族館 ナイトアクアリウム
新江ノ島水族館の大水槽に投射されたプロジェクションマッピング。実際に魚のいる水槽を使っているので、どれが本物の魚か分からなくなってしまいます。
深海をテーマとしており、暗い海の底にある美しい生き物達がとても魅力的です。
映像の視点がどんどん進んでいるため、あたかも自分が海の中にいて、進みながら景色を眺めているような錯覚に陥ってしまいます。
9)綿帯橋 時空の架け橋
山口県岩国市にある綿帯橋で行われたプロジェクションマッピング、時空の架け橋。これは岩国青年会議所60周年を記念して行われたものです。
3つの橋脚部分に写し出された映像は、少ない面積ながらも、その橋脚の質感を活かしている為、実際の橋脚が歪んだりしているように錯覚して見えます。
BGMと映像が良くマッチしている為、リズミカルで見ていて飽きませんし、次にどんな変化が起こるのかワクワクした気持ちで見ることができます。
10)ダンスとプロジェクションマッピングがコラボ!DDANTTCEMAGIC
TRFのSAMさんが主宰のダンススクール、SOUL AND MOTION DANCE STUDIO での発表会で行われた、プロジェクションマッピングを使用したダンスです。
グループでのダンスはそれだけでも息を合わせるのが難しいはずですが、飛び交う光と映像に合わせながらダンスを繰り広げるのは圧巻です。
中盤から白いブロックを使用し、色々な形に組み立てながら、そこに映像を写し出しています。少しでも場所がずれると映像が乱れてしまいますが、きっちりタイミングを合わせて狙った場所に設置しているのは高い技術がある証拠です。
まとめ
高い技術が必要とされるプロジェクションマッピング。費用も数百万円~数千万円と、安易に企画して行える物ではありません。
しかし、現代はSNSや動画投稿サイトの普及で、それを見た一人の人からたくさんの人に拡散する可能性も高く、プロジェクションマッピングのように動画として見応えのある企画は、動画として多くの人の目に届きやすくなっています。
まだまだ数としては少なく、物珍しい物ではありますが、今後色々な企業やメディアが取り上げ、発展していく事が考えられます。