企業の環境経営や脱炭素への取り組みを、対外的に伝える力が注目されています。
視覚的に訴求できるPR動画は、社内外の理解を促し、ブランドイメージや採用・営業活動にも直結する重要なツールです。
今回は、国内の企業・自治体による脱炭素PR動画の中から、メッセージ性・映像構成・ストーリーテリングに優れた5本を紹介します。
目次
1)【NIPPON STEEL】カーボンニュートラル動画(60秒ver.)
2)【再生可能エネルギー関連企業誘致PR動画】「AKITA,A CITY OF RENEWABLE ENERGY 再エネ都市。秋田市。」(ロングバージョン)
3)自治体で唯一!「八尾市」の取り組み紹介&お米の歯ブラシで脱プラ脱炭素!「TEAM EXPO 2025」プログラム~大阪・関西から未来へのアクション~ 【2025年2月号】
4)商工中金 CASE-2 「脱炭素経営篇」
5)「ENEOSグループの決意」コンセプトムービー
まとめ
1.【NIPPON STEEL】カーボンニュートラル動画(60秒ver.)
日本製鉄が発信するこの60秒動画は、鉄鋼業界におけるカーボンニュートラル実現への意思を、簡潔かつ力強く表現しています。
映像とナレーションは最小限に抑えながらも、「未来を切り拓く」という企業の決意がビジュアルで鮮烈に印象づけられる構成です。
わずか1分という短い時間ながら、ブランドイメージと一致した映像美や、インパクトのあるメッセージ設計は、CMスタイルで企業姿勢を伝えたいケースに非常に有効といえます。
2.【再生可能エネルギー関連企業誘致PR動画】「AKITA,A CITY OF RENEWABLE ENERGY 再エネ都市。秋田市。」(ロングバージョン)
秋田市によるこの動画は、再生可能エネルギー分野の企業誘致を目的としたPRです。
風力発電などの地元資源と都市戦略をドローン映像とナレーションで魅力的に紹介しています。
ロングバージョンとはいえ約4分と視聴しやすく、自治体の環境ビジョンを分かりやすく可視化しています。
アニメーションを用いることで、専門的な話題も理解しやすくなります。
グローバル企業を誘致する戦略と映像設計が合致しており、地方自治体におけるPR動画の好例といえるでしょう。
3.自治体で唯一!「八尾市」の取り組み紹介&お米の歯ブラシで脱プラ脱炭素!「TEAM EXPO 2025」プログラム~大阪・関西から未来へのアクション~ 【2025年2月号】
大阪府八尾市がTEAM EXPO 2025の一環として公開したこの動画は、ユニークな「お米の歯ブラシ」プロジェクトを中心に、行政・市民・企業の三位一体の取り組みを描いています。
単なる事例紹介ではなく、生活者目線に立ったストーリーテリングで、視聴者の共感を自然に引き出します。
親しみやすい色使いやBGM、ナレーションにより、堅くなりがちな環境テーマを柔らかく伝えている点も秀逸です。
自治体PRでありながら、共感と参加を促す仕掛けが随所に施されており、地域発のサステナビリティを広く伝える映像として非常に完成度が高いです。
4.商工中金 CASE-2 「脱炭素経営篇」
商工中金が中小企業への支援事例を紹介するこのPR動画は、金融業という立場から「伴走型」で脱炭素経営を後押しする姿勢を映像化しています。
導入から終盤まで顧客企業の「声」にフォーカスしており、単なる実績報告に留まらず、共感性と信頼性の高いストーリーが展開されます。
映像は現場で働く人々のインタビューを中心に構成されており、支援のリアルな温度感が視聴者に届きます。
中小企業の課題や成長の瞬間を描くことで、商工中金自身の価値も伝わる設計となっており、ビジネス現場の説得力を備えた事例型PR動画として優れています。
5.「ENEOSグループの決意」コンセプトムービー
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ENEOSが発信する約2分のコンセプトムービーは、「決意」というタイトルの通り、企業としての未来への展望と脱炭素社会への責任を映像詩的に表現しています。
明確な解説を用いず、映像と音楽、そして短いメッセージだけで構成されており、見る者の感情に直接訴える構成が印象的です。
抽象的な表現だからこそ、企業理念や価値観に重きを置いたブランディング映像として効果的。
BtoBにもBtoCにも使える、汎用性の高いムービーとして、企業イメージを一新するきっかけにもなり得るコンセプト設計が光ります。
まとめ
脱炭素社会に向けた企業・自治体の取り組みは、もはや社会的責任を超えて、ブランド価値そのものを示す活動となっています。
今回紹介した5本のPR動画はいずれも、「誰に・何を・どう伝えるか」に明確な意図が込められており、映像という手段の有効性を再確認させてくれます。
重要な点は、「メッセージを削ぎ落とす」ことと、「共感を誘うストーリー設計」。
自社が伝えたい未来像を、適切な尺と構成でどう表現するかが、効果的な動画作成のポイントといえます。