航空業界における映像は、単なる広告にとどまらず、ブランドの姿勢や地域の魅力、旅の楽しさや安心感を伝える重要なツールとなっています。
近年は安全ビデオに人気キャラクターを起用したり、地方空港が地域性を打ち出した映像を制作したりと、多様なアプローチが展開されています。
ここでは、日本の大手航空会社やLCC、そして空港が手がけた5本の動画を取り上げ、それぞれの特徴を紹介します。
目次
１）ANA機内安全ビデオ「ポケモン特別版」
２）ジェットスターで行く、星３つの旅〜オーストラリア・ブリスベン編〜
３）JAL FUTURE MAP ビジョンムービー「つながりは、未来への翼だ。」
４）神戸空港（KOBE） PR動画
５）関西3空港 プロモーション動画
まとめ
1.ANA機内安全ビデオ「ポケモン特別版」
ANAが制作した「機内安全ビデオ ポケモン特別版」は、ピカチュウやイーブイといったポケモンたちが登場し、機内での安全手順を楽しく解説する映像です。
従来の安全ビデオは形式的で退屈に感じられることもありますが、この作品ではキャラクターの親しみやすさによって観客の集中を促し、子どもから大人まで自然に内容を理解できる工夫が凝らされています。
2024年から国内外で上映され、エンターテインメント性と安心感を兼ね備えた新しい形の安全演出として注目を集めています。
2.ジェットスターで行く、星３つの旅〜オーストラリア・ブリスベン編〜
「ジェットスターで行く、星３つの旅〜オーストラリア・ブリスベン編〜」は、LCCならではの気軽さやコストパフォーマンスを前面に打ち出したプロモーション映像です。
ジェットスターのキャラクター「ジェッ太」が登場し、ブリスベンの街並みや自然を案内しながら、移動にかかる費用を抑えて現地の体験に重点を置ける旅のスタイルを提案しています。
気軽に海外旅行を楽しむ姿勢と、ブランドの親しみやすさをうまく組み合わせた構成となっています。
3.JAL FUTURE MAP ビジョンムービー「つながりは、未来への翼だ。」
JALの「FUTURE MAP ビジョンムービー『つながりは、未来への翼だ。』」は、未来志向のブランド映像として位置づけられています。
人と人、地域と地域をつなぐ航空の役割を映像美で表現し、単なる移動手段ではなく持続可能な社会や人々の豊かさに貢献する存在としての企業理念を示しています。
抽象的でアート性の高い構成が特徴で、視聴者に未来への広がりを感じさせる内容となっています。
4.神戸空港（KOBE） PR動画
神戸空港のPR動画は、都市や港に近接した立地の利便性や、落ち着いた雰囲気を短い時間で端的に伝える作品です。
大規模な演出ではなく、地域に根ざしたコンパクトな空港としての魅力を強調しており、日常的に利用する利用者や地域住民に向けたメッセージ性が感じられます。
シンプルながらも地域と空港の結びつきを大切にする姿勢が表現されています。
5.関西3空港 プロモーション動画
最後に紹介する「関西3空港 プロモーション動画」は、関西国際空港、大阪国際空港（伊丹）、神戸空港の三つをまとめて紹介する映像です。
それぞれの空港の特徴を短いシーンで紹介しつつ、関西全体が観光やビジネスの拠点として機能していることを訴求しています。
2025年の大阪・関西万博を見据えた地域戦略の一環としても位置づけられており、空港間の連携と広域的な魅力発信を目的とした動画になっています。
まとめ
今回紹介した5本の動画は、安全案内から旅の楽しさ、企業ビジョン、地域空港の魅力、広域的なブランド戦略まで、それぞれ異なる役割を担っています。
ANAは人気キャラクターを通じて安全を親しみやすく伝え、ジェットスターはLCCならではの旅の形を提案し、JALは未来への姿勢をビジョンとして描きました。
さらに、神戸空港と関西3空港の映像は、地域に根ざしたメッセージや広域的な魅力発信を目的に制作されています。
航空業界における映像は単なる宣伝を超え、企業や地域の価値を映し出す手段となっていることがよく分かります。
