お茶のCM映像事例5選

日本人の食卓にはかかせないお茶。
あまりにも日常に溶け込みすぎて、「このお茶がいい」と消費者にこだわりを持たせるのが難しい商品でもあります。
商品のブランドイメージをうまく利用したり、商品の特性を切り口を変えてアピールすることが重要です。
CMを見た人の頭の中に、商品名が残るような、お茶のCM事例をご紹介します。

 

 

目次

1. サントリー緑茶 伊右衛門

2. 伊藤園 お~いお茶

3. 伊藤園 お~いお茶 「ごはんの甘みを引きたてる」篇

4. サントリー伊右衛門 特茶「みんなの声」篇

5. サントリー胡麻麦茶 「赤ひげ先生」篇

6. 【番外編】午後の紅茶

まとめ

 

 

1. サントリー緑茶 伊右衛門

2004年に京都の老舗福寿園とのコレボレーションで発売された「伊右衛門」。
伊藤園の「お~いお茶」、キリンビバレッジの「生茶」と合わせてペットボトル緑茶の三大シェアの一つです。
宮沢りえさんと本木雅弘さんが演じる時代劇風の茶屋を舞台にしたCMは、今やトレードマークの暖簾だけで伊右衛門が想像できるほど知らない人がいない有名な映像です。
最初は恋人同士として登場した二人が、やがて夫婦になる物語として作られた伊右衛門のCM。その後も新しいバージョンがいくつもリリースされ、伊右衛門の顔として愛されています。
2018年春にリリースされた新バージョンでは、草薙剛さんが登場。伊右衛門夫妻が営む「こころの茶屋」にタイムスリップしてきた草薙さん。お茶を飲むことでホッとする心の動きを描き出しています。

 

 

2. 伊藤園 お~いお茶

伊藤園の「お~いお茶」も長く親しまれてきているペットボトル緑茶です。
「鮮度のいいお茶は、雑味がでない」というお茶の品質にこだわったキャッチコピーをもとにつくられたのがこちらのCM。
15秒の短い時間の中で、美味しいお茶のこだわりを端的にまとめています。
「加工時間を1/2にし、鮮度のよい茶葉を届ける」ことをアピールするだけでなく、「煎りたてを抽出」「酸素量を極限まで減らす」「鮮度を守る新型容器」とそれぞれの訴求ポイントにあわせたバージョンのCMも作成。
淹れたてのお茶にはかなわないイメージがあったペットボトル緑茶ですが、技術の進化とともに味と品質を向上させる開発者のこだわりが隠されています。

 

 

3. 伊藤園 お~いお茶 「ごはんの甘みを引きたてる」篇

おなじ「お~いお茶」のCMですが、今度はお茶は主役でなく脇役。食卓でも、お茶の役割は食後の一服や食事のお供といった引き立て役です。
お茶の役割をそのままに、「ごはんの甘みを引きたてる」コンセプトで食事に欠かせないお茶であることをアピールしています。
美味しそうな栗ご飯と有村架純さんの笑顔に、おもわず食欲がわいてくるCMです。

 

 

4. サントリー伊右衛門 特茶「みんなの声」篇

サントリーの販売する伊右衛門の別ブランド「特茶」は、脂肪の分解に着目したトクホ飲料。
「トクホ」は特定保健用食品の略で、特定の体への効果が期待出来ることを表示した、厚生労働省認可の食品です。
お墨付きがあるトクホ飲料とはいえ、消費者の関心を惹くには公式サイトで効果を宣伝するだけでは物足りないかも。気になるのは「実際に飲んだ人の感想」です。
特茶はツイッターとのキャンペーンで、消費者の生の声をあつめ、上手に商品の効果を代弁してもらうことに成功しています。
ツイッターと連動した、新しい形のマーケティング手法であるといえます。

 

 

5. サントリー胡麻麦茶 「赤ひげ先生」篇

おなじくトクホ飲料のサントリー「胡麻麦茶」。血圧が高めの人へ、胡麻ペプチドが酵素のはたらきを阻害して血圧に効果があると宣伝している飲料です。
高血圧が気になりだすのは、ある程度年齢が高いかたが多いでしょう。ターゲットにあわせて訴求出来るように作成されたのが、胡麻麦茶の歴史CMシリーズ。
黒澤明監督作品の「赤ひげ先生」を起用し、診療所の医師という設定が健康への効果を謡う胡麻麦茶のセールスポイントとマッチしています。
赤ひげ先生を知らない人も、時代劇のような舞台にスーツ姿で登場する高橋克実さんに、おもわず目をとめてしまうCMです。

 

 

6. 【番外編】午後の紅茶

https://twitter.com/kirin_company/status/771256383824011264

茶葉をつかった飲料でも、こちらは紅茶のCMです。
午後の紅茶の持つ「甘み」を、就活生が直面する厳しい現実と見事に対比させています。この映像は大学生が授業の一環で制作したもの。クオリティの高さから、キリンビバレッジよりクライアント賞に選ばれました。

 

 

 

まとめ

ペットボトル飲料という、とりわけ特別な理由をもって選ばないものでも、CMの印象によっては消費者は「あえてそれを買う」という選択をするもの。
商品ブランドを極限まで際立たせたり、味のクオリティに注目してみる。
現代ではツイッターなどSNSの発展により、企業がより消費者の「生の声」を聞き取ることができます。新しい手法を採用したCMにも注目したいところです。