2016.12.21 9:18
CG動画はここまで進化した!|名古屋の映像制作 TAO
映画やゲームなどで、私たちはCG動画をよく目にします。しかし、それとは気づかなくても、テレビ番組やコマーシャル、スマートフォンのアプリなどにもたくさんのCG動画が利用されています。そんな、CG動画についてご紹介します。
目次
1 CGとはなにか?
1.1 CGの種類
2 CG動画の歴史
3 現代のCG動画
4 世界のCG動画の事例
4.1 海外のCG動画
4.2 日本のCG動画
5 映画のCG動画
6 ゲームのCG動画
7 これからのCG動画
8 まとめ
1 CGとはなにか?
CGとは、コンピューターグラフィックス(computer graphics)の略語で、コンピューターを利用して描かれる、静止画や動画のことです。一般的にコンピュータグラフィックスというと、現実と見紛うようなリアルな描写をイメージしますが、コンピューターで描かれたものは、全てコンピューターグラフィックスです。現代においては、実写映像以外のほとんどのテレビアニメーションや、テレビコマーシャルの制作にコンピューターが用いられます。それらは全て、コンピュータグラフィックスと言えます。
1.1 CGの種類
一般的に見かけられるコンピュータグラフィックスの種類は、大きく二つに分類されます。それは「2DCG」と「3DCG」です。
2DCGは「二次元コンピュータグラフィックス(two dimensional computer graphics)」の略語で、平面的に見えるイラストレーションや、子供向けのテレビアニメーションなどに多く用いられています。紙などに描いた絵をスキャナーでコンピューターに取り込み、デジタル加工するケース、マウスやタブレットを用いて、コンピューター上で直接描画するケース、などがあります。
3DCGは「三次元コンピュータグラフィックス(three dimensional computer graphics)」の略語で、コンピューターの中に仮想空間を作り、そこに仮想の物体や人物、カメラを配置し、撮影をする技術です。実写映像並の高クオリティなグラフィックスを制作することも可能ですが、3DCGを一見2DCGのように見せかける技術もあります。
また、CAD(computer aided design)なども、CGの種類に含まれます。コンピューター上で設計図などを作図するシステムで、建築や機械設計、土木や電気設計などの分野に利用されます。
Animator vs. Animation (original)
2Dアニメーションを作るアニメータと、そのアニメキャラクターとの戦いが描かれています。アニメーションとしても秀逸ですが、2Dアニメーションがどのように作られているのかも、理解することができます。
3DCG制作の流れ
3DCGがどのように作られているのか、実例が紹介されています。
2 CG動画の歴史
コンピュータグラフィックスという言葉を始めて使ったのは、1960年代、ボーイング社のウィリアム・フェッターでした。その後、人工衛星の起動シュミレーションなどに、CG動画が用いられたり、実験的なアート作品が作られたりしました。
映画などに本格的にコンピュータグラフィックスが使用されるようになったのは、1982年、スティーブン・リズバーガー監督によって制作されたSF映画『トロン』が最初です。この映画は全編がコンピューターで制作されたわけではなく、96分中の、15分程度が、コンピューターグラフィックスとなります。1980年代のコンピューターグラフィックスは、まだ非常に制作コストが高く、近代的なSFをイメージした『トロン』を制作するために、その大半は、コンピューターグラフィックスに見せかけた手書きのアニメーションが使用されました。
その後、1980年代後半から、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズが『リトルマーメイド』『美女と野獣』などに、コンピューターグラフィックスを用いましたが、それも映画の中の一部のみに留まっていました。
世界初のフルCGアニメーション映画は、1995年にピクサー・アニメーション・スタジオの制作した『トイ・ストーリー』です。ディズニーとピクサーは、共同でコンピューターグラフィックスの制作システムを作り、『トイ・ストーリー』では、81分の全編が、3DCGで制作されています。
One of the First Computer-Generated Films, from 1963 – AT&T Archives
エドワード・E・ジャックによる、人工衛星シュミレーション動画です。
1982 – トロン – 予告編
当時とても話題になった『トロン』の予告編です。多くの映画製作者やアーティストがトロンに影響をうけました。
リトル・マーメイド アンダー・ザ・シー – 1989 / 1999 – Under The Sea – Japanese
一見して従来のセルアニメーションのようですが、この頃から一部、コンピューターグラフィックスが利用されはじめました。
君はともだち (トイ・ストーリー)
世界初の、フルCG映画です。人物の描写などにはまだ違和感がありますが、当時としては画期的な技術の進歩でした。
3 現代のCG動画
現代では、コンピューターが普及し、CG動画の制作技術も進歩したために、ほとんどの動画アニメーションがCGで制作されるようになりました。
実写と見紛うようなフル3DCGが、映画やゲームに利用されているのはもちろんですが、見ていてそれとは気づかない、ほとんどの動画にコンピュータグラフィックスが利用されています。
トゥーンレンダリングという技術は、3DCGで制作したCG動画を、二次元のセル画のように見せかけます。従来のアニメーションでは時間がかかっていた動画の作成も、3DCGの技術を用いれば、モデルを一度制作するだけで、使いまわすことができます。
デジタルスタジオガラパゴ_ワイヤーフレーム.avi
より実写的な3DCGがどのように制作されているのかが理解できます。
How To Create Toon Style Animation In Blender
Blenderという、フリーの3DCG制作ソフトでも、ここまで高いクオリティのトゥーンレンダリングが可能です。
4 世界のCG動画の事例
CG動画の技術が一番進化しているのは、やはりアメリカでしょう。ハリウッドには、たくさんのコンピューターグラフィックスのスタジオがあり、一本の映画にかけられる予算も桁違いです。
4.1 海外のCG動画
アメリカのスタジオには、世界中から優秀なコンピューターグラフィックス技術者が集まります。しかし、アメリカ以外の国でも、映画やテレビ番組、コマーシャルなどに、日常的にCG動画が用いられています。 また、世界的なコンピュータの普及により、個人制作でもクオリティの高いCG動画が多く制作されています。
R´ha [short movie]
ドイツの大学生が制作したCG動画です。とても個人制作とは思えないほどのクオリティです。
Action Movie Kid – Volume 01
CGクリエーターのお父さんが、息子を撮影したホームビデオにユーモラスな特撮加工を施したものです。
4.2 日本のCG動画
日本人は歴史的に見ても、物体に二次元的に捉えるのが得意な人種です。日本で浮世絵が流行し始めた頃、レオナルド・ダ・ヴィンチはすでに『モナリザ』を書いていました。西洋人は物体を立体的に捉え、アジアでは平面的にデザインしなおす、といった特徴があります。
そのため、日本で制作されたものは3DCGよりも、平面的な二次元アニメーションの方が、海外に受け入れられています。もちろん、日本で制作された、クオリティの高い3DCGもたくさんありますが、海外で評価され話題に登るのは、より二次元的なアニメーションが多いようです。ですが、日本でもかなりクオリディの高い3DCG動画は作られています。
Agni’s Philosophy — FINAL FANTASY REALTIME TECH DEMO
スクエアエニックスのデモンストレーションCG動画です。かなり高度な技術力が伺えます。
5 映画のCG動画
実写映画の特撮部分は、コンピューターグラフィックスにより制作されています。実際に撮影することが困難な、SF的描写や、爆発、モンスター、のみならず、ごくあたりまえの街の風景でさえも、ロケで撮影されたものではない場合があります。スタジオで撮影したあと、コンピューターで描画した背景を合成し、ロケで撮影したように見せかけます。
『シン・ゴジラ』白組によるCGメイキング映像
ゴジラはもちろんですが、ヘリコプター、戦車、爆発、破壊された街並みなど、多くにCG動画の技術が用いられています
6 ゲームのCG動画
テレビゲームやスマートフォンのゲームに用いられている動画は、ほぼ全てがコンピューターグラフィックスです(ごくまれに、実写を用いたゲームもあります) 一部のテレビゲームでは、3DCGで作られたキャラクターを、ユーザが自由に操作することができます。3DCGで作られた世界の中をプレイヤーが旅し、戦う姿が、ゲームプレイとともに描画されます。膨大なデータ量を必要としますが、現代では、1本のゲームディスクに入れられるデータ量は増えました。また、テクスチャなどの技術が進化し、より少ないデータ量で、より実写に近く見せる技術が発達してきています。
FINAL FANTASY XV TGS2016 トレーラー/ファイナルファンタジー15
ファイナルファンタジー最新作では、これだけの高画質なグラフィックスとゲーム内容が1枚のディスクに納められています。
7 これからのCG動画
2016年、再びVR(Virtual Reality)の技術が見直されています。2016年はVR元年だとも言われています。VRとは仮想現実のことで、コンピューターの中に作られた仮想の世界で、現実のような体験をすることです。
現代の技術では、両目に装着するタイプのディスプレイと、仮想現実内の物体を操作できるグローブなどで、あたかも3DCGの世界に入り込んでしまったかのような錯覚を起こすことができます。
これからは、よりVRや拡張現実AR(Augmented Reality)の進歩がすすみ、私たちは、日常的に、コンピューターグラフィックスの世界に住むことになるのかもしれません。 例えば、購入したい商品、試着したい洋服、部屋に置いてみたい家具、などがあれば、VRの技術を用いて実現することができます。顧客が、仮想現実世界で商品を手に取り、擬似的に利用して、その上で注文する、といった未来が、もうすぐ近くまで来ています。
「PlayStation VR」で地上411mを体験してみた!/Experience on the ground 411m in the ” PlayStation VR “
TVモニターで見る限りはごく普通の3DCGですが、VRヘッドセットをつけることにより、まるで現実のように感じられます。
8 まとめ
映画やテレビゲームなどに用いられる、いかにも3DCGといった美麗なCGのみならず、CG動画は気づかないうちに、私たちの生活の一部となっています。更にこれから技術が進歩していくなかで、CGはごくあたりまえのものとなってくることでしょう。