ARがつくるこれからの未来

最近よく耳にするAR。ゲームアプリケーション以外にも、日常生活で気づかないうちに、ARコンテンツを目にしているかも知れません。ここではARの技術とその未来について、紹介していきます。

 

目次

1 ARとはなにか

2 現代のAR技術

3 ARを用いたアプリケーション

4 ARの技術の進歩

5 これからのAR

6 まとめ

 

1 ARとはなにか

「AR」とは、アグメンティッド・リアリティ(Augmented Reality)の略語で、日本語に翻訳すると、「拡張現実」という意味です。2016年あたりから流行語になり、2016年はAR/VR元年とも言われていました。「VR」はバーチャルリアリティ(virtual reali-ty)の略語で、「仮想現実」という意味です。

具体的にARとはどういった技術なのでしょうか。スマートフォンやウエアラブルデバイスを利用し、現実世界に情報を付与することをARと呼びます。例えばなにも置かれていない場所を、デバイスを通して見ることにより情報が閲覧できる。これがARです。だれもいないコンサート会場のステージにスマートフォンをかざすと、コンサートが始まる、といった技術がすでに現実のものとなっています。

初音ミク降臨ARライブ in ナレッジキャピタル

 

2 現代のAR技術

ARの歴史は意外と古く、1990年代頃から実用化しはじめました。初期の頃には医療用や軍事用などの技術開発が中心でしたが、2000年代あたりから、エンターテイメントや、ショッピング、ビジネスといった身近なアプリケーションにARが使われるようになりました。

2011年には、「Ingress」というARを利用したゲームアプリケーションが開始され、とても話題になりました。 Googleマップを用いて、現実世界にある史跡や名所を使い、陣取りを行うというゲームです。ユーザーはスマートフォンを見ながら現実世界を歩き、現実にある史跡に設置されている「ポータル」で、陣取りを行います。ナイアンティック社が開発したIngressの技術は、2016年に大流行した「Pokemon GO」にも用いられています。

Ingress – It’s Time To Move

 

3 ARを用いたアプリケーション

エンターテイメントや、ゲームアプリケーションのイメージが強いARとVRですが、ビジネスやショッピング、教育など様々な分野に活用されています。

イケアのARアプリケーションは、スマートフォンやタブレットで、家具を選び、現実世界の家具を起きたい場所にイケアカタログを置くと、実際に家具を設置したイメージを閲覧することができます。他にも家電のサイズが設置したい場所に入るのか、確認できるアプリケーションもあります。

IKEA 2016 Catalogue: Augmented Reality

 

4 ARの技術の進歩

スマートフォン以外でも、ARを活用する技術があります。例えば巨大モニターで映した現実世界のリアルタイム映像に、拡張現実の情報を付与することもできます。ショッピングモールのデジタルサイネージでは、AR技術を活用した風船割りゲームなどがあり、子供たちに人気です。モニターに現実世界の自分自身が映し出され、風船を割ったり、星を捕まえたりといったゲームを楽しむのです。

Dinosaur AR Vision PV -ARAPPLI SIGNAGE-

 

グーグルグラスなどの、身につけるARデバイス「ウエアラブルデバイス」は、技術的には既に現実のものとなっています。ですが、それほど世の中に浸透していません。日常的にデバイスを身につけることに、人々が不自由さを感じるのかも知れません。ウエアラブルデバイスよりも、スマートフォンによるARが先に普及しました。

Get Directions [through Google Glass]

 

ARを技術を用いたゲームの特徴は「実際に体を動かすことを楽しむ」といった部分でしょう。IngressやPokemon GOは「歩きゲー」とも呼ばれていました。現実世界をたくさん歩くことによって、ゲームが進行していくので、ゲームにのめり込むほどに健康になり、ダイエットにも役立ちます。ARゲームとヘルスケアは相性のよいコンテンツだと言えるでしょう。

HADO v2

 

5 これからのAR

ARによる家具家電のオンラインショッピングや、ファッションの仮想試着などは、すでに実現しています。これからのARは、更に人々の生活に密着し、当たり前のものとなっていくでしょう。

ARのデバイスは、現在スマートフォンを通して閲覧するのが主流ですが、近い将来、ウエアラブルデバイスが更に普及されることが予想されます。眼鏡型デバイスも既に実現しているのですが、更に軽量化が進み価格も安価になれば、多くの人がウエアラブルデバイスを日常的に身につけることでしょう。

さらに、デバイスを用いないAR技術が実現する可能性もあります。映画「アイアンマン」のトニー・スタークが、アイアンマンを設計するシーンでは、現実世界に立体映像が立ち上がり、両手で操作することで、設計図を組み立てていました。あの映画のように、現実世界に仮想現実が映し出される時代が、くるのかも知れません。

未来のワークスタイル

 

6 まとめ

ARの技術は既に我々の身近にあり、現実のものとなっています。これからの技術の進歩で、ARは更に自然に生活に溶け込み、活用されていくことになるでしょう。現在はスマートフォンを用いたARが主流ですが、これから先の未来、より軽量化したウエアラブルデバイスが開発され、身近なものになっていくことが予想されます。